葛飾の紹介

ここは歴史が育んだまち、新しい歴史が生まれていくまち、
今昔の伝統が葛飾の毎日に息づき、活力を生み出して生きます。

 葛飾に人が住むようになったのは弥生時代からといわれています。葛飾に暮らした人々の営みは、発掘された遺跡や古くから伝えられる行事などでうかがい知ることができます。

区内の遺跡で発掘された土器類

 葛飾区には、中川・江戸川・荒川・大場川・綾瀬川が流れ、古くから水上交通の要所として発展してきました。古墳時代に作 られた、柴又八幡神社古墳に用いられた石は房総半島から、中世・近世の戦乱の舞台となった葛西城跡から発掘された土器類などは、近畿地方から船などにより 運ばれてきたと考えられています。また、漁網の重りとして使われた土錘(どすい)も発見され、葛飾と水とは深い関わりがあったことを物語っています。

矢切の渡し

 この葛飾の川が織り成す水郷地帯の景観は、多くの文人たちに愛され、いくつもの歌や句に詠まれたり、小説の舞台にもなりました。区内に建立された文学碑には、文人たちの葛飾への思いが刻まれているのです。

芝木好子「葛飾の女」の碑 (水元さくら堤)

 区内には、古くから伝わる伝統行事や芸能も受け継がれています。茅(かや)で作った輪を神社の鳥居に掲げ、その輪をくぐることで無病息災を願う『茅(ち)の輪くぐり』。神社に奉納するお囃子(はやし)として伝わる『葛西ばやし』や、厄病除けとして崇められている『神獅子舞(かみじしまい)』、舞いを伴う雅楽の『舞楽』などが行なわれています。また区内には多くの神社・仏閣もあり、これらは日々の平安のよりどころとされてきました。

神獅子舞

 最近は、区内各地で地域まつりなどの催しが行なわれるようになり、区民同士の交流が育まれ、新しい伝統として根付いていくことでしょう。

葛西ばやし

| 次へ>

かつしかパノラマガイド 葛飾区勢概要 1998年 版
■発行/葛飾区 ■企画・編集/広報課 より抜粋